コーヒー豆の代表的な5つの精製方法

コーヒーの生豆はコーヒーチェリーから作られる



実際にみなさんが飲まれているコーヒーは「コーヒーチェリーの種子」を取り出して、生豆に焙煎したものです。実際にどうやって種子を取り出して生豆にしているのでしょう?お米だったら稲から精製されるように、コーヒーにも生豆と言われる状態にする独特の精製方法がいくつかあります。国によって主流の精製方法は違いますが、同じ農園内や精製場で複数の方法を試みる生産者も増えてきています。

コーヒー豆の代表的な5つの精製方法



それでは現在行われている代表的な5つの精製方法をご紹介します。これらの他にも独特の方法などいろいろあります。どれもチェリーの収穫から不純物の除去や選別までは同じです。

コーヒー豆の精製方法

①ナチュラル(非水洗式、アンウォッシュド)
チェリーのまま天日(機械乾燥も)で乾燥させてから脱穀して仕上げる方法。

②ウォッシュド(水洗式、フリーウォッシュド)
チェリー果肉を機械で剥いで発酵槽に。発酵後の水洗過程で残りの付着物を除きパーチメント(殻付き豆)にし、それを乾燥させて脱穀して仕上げる方法。

③パルプドナチュラル(ハニープロセス)
ウォッシュドと同じくパーチメントにするが付着物(粘液質)が付いたまま乾燥させて脱穀して仕上げる方法。

④パルプドデスムシラード
ウォッシュドと同じくパーチメントにするが付着物を機械で剥ぎ取り、乾燥させて脱穀して仕上げる方法。

注:③と④の方法を一緒にしてセミウォッシュドと区別される場合もあります。

⑤スマトラ式
マンデリンに代表されるインドネシア独自の方法。ウォッシュドと似ているがパーチメントを半渇きで脱穀し、生豆状態で乾燥させて仕上げる方法。

精製方法で変化する味の楽しみかた



①ナチュラル
果肉と一緒に長時間乾燥させる為、ドライフルーツのような香りや甘味が出ますがやや雑味も出やすくなります。

②ウォッシュド
フレッシュな果実の香りと酸味が出やすく、飲みやすいがあっさりした印象となります。

③④パルプドナチュラル・パルプドデスムシラード
味の特徴はナチュラルと近いですが酸味もあります。付着物をどの程度除く(残す)かで、味の傾向を変化させられます。

⑤スマトラ式
割れ豆やカビ豆等が多くなるリスクがあるが独特の香味が出ます。

土地と時期が同じタイミングで採れたコーヒーでも精製方法が変わると味も香りも驚くほど違いが出てきます。精製方法の違うコーヒーを飲み比べてみるのも楽しいものですね。きっと自分のお気に入りの一杯を見つける手助けになりますよ。

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